古事記「アマテラスの天の岩戸開き」-アマテラスを出すために神々が行った儀式
こんにちは、アマテラスです。
寒い日が 続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
前回の記事では、このブログのタイトルにもありますが、古事記の「アマテラスの天の岩戸開き」について簡単な説明をさせていただきました。
古事記は上中下の三巻から構成されていますが、上巻の神話については色々な解釈ができるとも言われており、神話の一つ々の話が私たちに伝えようとしていることを理解することで、今に役立つような教訓や智慧を見出すことができるのかもしれません。
では、今日は、古事記の「アマテラスの天の岩戸開き」について、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
アマテラスは、弟スサノオの自由な振舞いに困惑し、天の岩戸に隠れてしまいました。
それによって、高天原(神の世界、天の世界)も地上世界も、真っ暗になり、禍や悪いことが起きるようになりました。
そこで、八百万の神々は天の安の河原に集まって、「どのようにしてアマテラスを出そうか」と話し合いをします。
そして、智慧の神オモヒカネノカミ(思金神)が、アマテラスを天の岩戸から出すためのアイディアを提案し、それに従って次のような準備と儀式が執り行れました。
<アマテラスを天の岩戸から出すための準備>
〇まず、占い・祭祀の神フトダマノミコトがオモイカネノカミの策で良いかどうか、鹿の肩骨と波波架の木を焼いて占います。
〇イシコリドメノミコトは、鉄で八咫鏡(やたのかがみ)を作り、タマノオヤノミコトは八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を作ります。
〇そして、天の香山で根ごと掘り起こした榊(さかきの)の上の枝に多くの勾玉を飾り、中の枝に八咫鏡を取り付け、下の枝に白と青の布帛(麻・絹)を垂らした「飾り木」を作ります。
<アマテラスを岩戸から出す時に執り行った儀式>
〇アマテラスに夜が明けたと思わせるために、常世の長鳴鳥(ながなきどり)を一斉に鳴かせます。
〇アマテラスが隠れている天の岩戸の前で、祭祀の神フトダマノミコトがその「飾り木」を捧げ持ちます。
〇力の神アメノタヂカラヲノミコトが、岩戸からアマテラスを引っ張り出せるように、天の岩戸の横に隠れて立ちます。
〇芸事の神アメノウズメノミコトは、ヒカゲカズラ(シダ植物)をタスキとして肩にかけ、マサキカズラ(つる植物)を丸く束ねた冠を頭に着け、笹の葉を手に持って、舞を舞います。
こうした儀式を執り行って、暗かった気持ちが「明るい心」に変わったからか、八百万の神々は歓声を上げました。
すると、アマテラスは、「光輝く私がいないので、高天原も地上の世界も暗いはずなのに、なぜ高天原の神々は歓声を上げ、笑っているのでしょう?」と、外の様子を不思議に思い、天の岩戸を少し開けました。
その時に、言葉の神アメノコヤネノミコトと祭祀の神フトダマノミコトが、アマテラスに鏡を向けると、アマテラスは「光り輝くこの神は誰だろう」と思って、鏡を見るために天の岩戸から少し出てきました。
その隙に、力の神アメノタヂカラオノミコトが、アマテラスを外に引っぱり出しました。
こうして、アマテラスが天の岩戸から出たことで、高天原にも地上世界にも明るさが戻ったのでした。
これらのことが、アマテラスを天の岩戸から出すために執り行った儀式です。
たくさんの神々が登場しており、それぞれの神様に役割があることは、何となく分かると思います。
しかし、古事記に書かれている通りに理解しようとしても、神話が私たちに何を伝えようとしているのかはあまり分からないのではないでしょうか。
それぞれの神様が担った役割は、何を意味するのでしょうか・・・
そして、「天の岩戸開き」とは、何を意味するのでしょうか・・・
何だか気になりますが、その続きはまた・・・。